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人が死ぬことは

今生きて笑って怒って泣いてるこの人が
無機物になってしまうってことで・・・


杜にとって「死」は近くて遠く、でもやっぱり近すぎる恐ろしいものです。


杜は猫が好きです。鳥が好きです。生きとし生けるものが愛しいです。

だから長く共に生きてきた相棒が私の前からいなくなってしまった時は、
一緒に死んでしまうのではないかと思うほど毎日泣いて過ごしました。

大切だったのに。
いつものようにふざけて笑って時には叱って、
どんなに遅く帰ってもお帰りと甘えてくれる明日があると思っていた。

だけどどの子も杜以上にはけして長く生きてはくれない。

愛をもらい愛を返し始めたその日から、
さよならのカウントが始まっている。

「死」は杜にとっては最大の恐怖です。

その日を思うだけでどうにかなってしまいそうです。


『悼む人』は死から死へと、あらゆる人間の死に対して向き合い
心にとどめておく儀式を行う静人の旅の歴史です。

なぜ彼は見ず知らずの人間の死を悼むのか

いい人も悪い人も
彼の前では
生きてきた「人」の歴史として心に死を刻んでもらえる。

彼らの感じた風を
彼らの眠る土を

静人はただ静かに胸に刻む。

ではなぜ静人はそのようなことをするのか。

別に知り合いが死んだわけでもない。
思わずたずねてみたくなるほど有名な故人であったわけでもない。


読み進めて行けば
きっと誰もが自分の中の静人を
見つめることになるのではないかと思います。

私の胸の一番あたたかいところは、
いつだって共に生きたあの子のためにあけてある。

そして静人の胸の一番あたたかいところは・・・


哀しくて哀しくて
でもいつかは見つめなければならない
永遠のテーマのはしっこを見せてもらえたような気がする一冊です。

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