老人と宇宙(そら)グロテスクでげんなりした。
でも、生きるってこういうことなのかなと考えさせられる一冊だった。
つまり、虚無に生きる者は何度生きてみてもその生に意味を持たせることも、
価値ある一生にすることもできないのかなってこと。
ここでは生がリアルで、生きぬくことだけが目的。実にシンプルな物語だ。
地球では75歳をすぎたものは、
地球という故郷に骨をうずめるか、
宇宙という新しい大地で、新しい命・若く美しい体を手に入れるかを選ぶことができる。
モチロン無料ではない。
科学の結晶である逞しく強靭な肉体は、
宇宙という空間で何千何万という未知の種族と戦い、侵略し、あるいは防衛という形で
人類を守りスペースコロニー(植民地)を拡大していくことに使うことが条件だ。
つまり、スーパーボディは宇宙での兵役に支給される備品みたいなもの。
人を食らうエイリアン、虐殺だけが目的の種族、etc、etc…。
移民である人類は常に未知の暴力と隣合わせだ。
守れなければ他の種族がそのコロニーを奪うだけ。
あるいは武器を持たぬ善良な移民が解体されて缶詰めにされるだけ。
人類に選択肢の余地はなかった。
そしてまた死を目前にしたものがそれに飛び付かない理由も。
75歳以上の人間は2つの道を選べた。
地球で死ぬか。
宇宙で死ぬか。
主人公は妻に先立たれ今は独り身のジョン・ペリー。
生きるために誰かを殺すことに悩んだり、死んでいく友を悼んだり、本当にエイリアンとは分かりあえないのかと苦しみながらも生き抜くスーパーおじいちゃん。
1度目の生。
そして殺戮に生き抜く2度目の生。
兵役(最低2年)があけた後約束されるコロニーでの第3の生。
もう一度生きられるなら、人は何を求めるだろう。
杜は贅沢でも華やかでなくてもいいから、
ただ穏やかに日向で幸せを感じられる、そんな一生でありたい。
と、おじいちゃんの怒涛のような胸の悪くなる2度目の生を見ながらつくづくそう思ったのでした。